SBI証券は9月30日〜、楽天証券は10月1日〜国内株式の取引手数料を無料化すると発表しました。現状各社の取引手数料でも、多額の手数料は発生しづらい制度にはなっていますが、今回の発表を受けてこれまで投資未経験者だった人への新NISAへの後押しが益々強くなったように感じます。
投資初心者が初めやすくなった2つの理由
単元未満株の取引手数料が完全無料に
SBI証券では、S株の買付手数料無料。売却時約定代金✖️0.55%が手数料でした。
楽天証券では、かぶミニの買付手数料無料。売却時11円/回が手数料でした。
これが今回の改定で、両証券ともに買付手数料、売却手数料が無料に変更となります。
単元未満株って?
数年前まで日本企業の株は、100株単位でしか買えませんでした。
この時、株価1,000円の企業を買うには10万円必要です。
単元未満株は1株づつ買えるようになった便利なサービスです。
これで1株1,000円、3株3,000円というような注文方法が可能になりました。
単元未満株
100株単位でなく、1株単位で売買する株式。
単元未満株への対応や銘柄数は証券会社によって異なります。
株式分割の活発化
株式分割することによって株価は押し下げられます。
株価が下がると、資金の少ない人や初心者でも投資が始めやすい環境になります。
2022年に株式分割をした企業は97社でしたが、2023年8月までに株式分割を発表した企業は既に100社を超えました。これは株式分割のビッグウェーブが来ていますね。参考までに下図は、今後株式分割が予定される企業の一覧です。
株式分割って何?
株式分割とは、企業が株価を下げるために実施する施策です。
株価が上がり過ぎると、その株を買える人が少なくなり、取引量が減少します。企業は営業資金を潤沢に集めたいので、一部の富裕層しか買えないような株価になってくると株式分割をして株価を押し下げるのです。
例:株価2,000円の場合と10,000円の場合
株価2,000円の場合は100株買うのに、20万円で購入することができます。
株価10,000円の場合は100株買うのに、100万円必要になります。
年収400万円〜500万円のサラリーマンが100万円や、200万円の金額を気軽に捻出できるでしょうか?なかなか難しいはずです。
上図のように、株式分割には分割比率というものがあり、1:2や1:3で表されます。
例えば株価10,000円企業Aが1:4の分割を発表すれば、株価は2,500円に下がります。
分割前にA社の株を100株持っていた人は、分割の効力発生日には保有株数が400株に上昇します。
株式分割のメリット
- 株価が下がることで、これまで手が届かなかった人も買えるようになります
- 買える人が増えるということは株価上昇の誘因になります
- 株主優待がある銘柄では、株主に恩恵が発生する場合があります
- (例)100株で自社商品の優待券2,000円
- (例)300株で自社商品の優待券7,000円
- 上記のような場合だと、分割前に株を保有していた株主のメリットは大きい
現在の手数料体系
約定代金
株の売買が成立した金額のことを指します。5,000円の株を10株買えば5万円です。この株を売れば約定代金は購入と売却を合わせて10万円になります。
現状の制度でも、左のSBI証券から松井証券までを見れば、1日50万円までの取引には手数料がかかりません。
投資初心者が1日の売買代金で50万円や100万円を超えることはありませんが、この手数料体系は単元未満株が流行り始める前に設計されたものと思われます。
SBI証券「ゼロ革命」
このゼロ革命は、国内株式「現物取引」と国内株式「信用取引」の売買手数料が対象です。
残念ながら外国株式の売買手数料は対象ではありません。
SBI証券の取引コースを「アクティブプラン」にしている場合は、9月30日以降1日200万円以上の取引も手数料が無料になります。
手数料ゼロにするためには、インターネットコースに申し込んでおり、電子交付サービスを所定の設定に変更する必要があります。変更方法はここから確認できます。
今回の制度改正の変更点
9月30日以前
国内株式 (1日の約定代金) | 100万円まで無料 | 200万円までは1,238円 |
S株 | 買付無料 | 売却時 約定代金の0.55% |
米国株 | 約定代金の0.495% | 為替手数料 1ドルあたり25銭(円貨決済の場合) |
9月30日以降
国内株式 (1日の約定代金) | 100万円まで無料 | 200万円以降も無料 |
S株 | 買付無料 | 売却時 無料 |
米国株 | 約定代金の0.495% | (変更なし) |
楽天証券「ゼロコース」
注意点は自身でログインし、「超割コース」、「いちにち定額コース」、「ゼロコース」の選択肢から、ゼロコースへの設定変更が必要です。
変更方法は
マイメニュー
⇩
お客様情報の設定・変更
⇩
各商品に関する設定
⇩
国内株式
⇩
手数料コース
⇩
確認・変更をクリックしてください。
楽天証券の取引コースを「いちにち定額コース」にしている場合は、10月1日以降1日200万円以上の取引も手数料が無料になります。
今回の制度改正の変更点
10月1日より前
国内株式 (1日の約定代金) | 100万円まで無料 | 200万円まで2,200円 |
かぶミニ | 買付無料 | 売却時 1回11円 |
米国株 | 約定代金の0.495% | 為替手数料 1ドルあたり25銭 |
10月1日以降
国内株式 (1日の約定代金) | 100万円まで無料 | 200万円以降も無料 |
かぶミニ | 買付無料 | 売却時 無料 |
米国株 | 約定代金の0.495% | (変更なし) |
新NISAと手数料無料化で日本人の投資を後押し
日本における投資環境の整備や、投資の必要性の周知はここ数年で爆発的に拡がったと思います。
その背景には、米国の株高やYouTuberなどインフルエンサーの活躍が大きいと思います。
日本でも投資を始めるよう多方から呼びかけがあり、キャンペーンなども行われていますが、証券口座の保有率は2割以下というのが現状です。
なぜ投資するのか?
それは、インフレ対策と実質賃金上昇率の伸び悩みだと思っています。
インフレは、モノの値段が上がることです。日本は年間インフレ率2%を目標としています。
100円のジュースが10年後に120円になったら、貯金していた100円では買えなくなるのです。
10年前には買えたジュースが、10年経つと買えなくなる。これがインフレです。なぜこのようなことが起きるかというと、銀行の預金金利は0.002%と低過ぎるからです。インフレ率が2%なら、ジュースの値段は毎年2円上がりますが、貯金100円では1円も増えません。
実質賃金上昇率の伸び悩みは、モノの値段が上がるけど、給料は物価上昇ほど上がらない。という状況です。2022年は➖1.8%でした。賃金は1.9%上昇しましたが、物価が6.1%上昇したためです。これでは生活が苦しいわけです。
だから投資して、5%ぐらい資産を増やしましょう。というのが政府の考えです。
しかし、貯金大国日本に投資マインドが芽生えるまでには、まだ少し時間がかかることでしょう。
この現状を打破するのは、私たち投資家だと思っています。私たちの経験が語り継がれ、拡まれば、投資はそう怖いものじゃない。お金を増やすチャンスは十分にあると、周知の事実になる日もやってくると思っています。
新NISAで、税金をなくし、単元未満株の取引手数料を無料にしました。これで投資を始める初心者も、数百円から投資が始められます。
例えば、みんな大好き高配当株にNTTは170円から購入できます。1株買うと、年間で5円の配当金がもらえます。170円買うと5円もらえるのは利回り2.9%です。10年後でもジュースは買えそうですね。
トヨタ自動車は2,500円程度から1株購入できます。10年前は1,300円程度だったので、ここ10年で株価が2.5倍に成長しました。貯金していても2倍になることはありません。
証券口座を開くならSBI証券がおすすめです。
理由は楽天のかぶミニが銘柄数1,000程度に対して、SBI証券では3,500の取り扱いがあるからです。
まずは証券口座を開設して、数百円〜から数千円で投資してみましょう。
今後はおすすめ銘柄も順次、紹介していく予定です。
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