2023年12月に運用が開始され、1月の設定開始以来、大人気を誇るSBIアセットマネジメントの日本高配当の投資信託ですが、4月と7月の2回の分配が行われました。
この人気投資信託に毎週1,000円投資した運用結果と、雑感を公開します。
運用実績公開
- 買付状況:毎週月曜日1,000円積立投資
- 取得単価:11,640円
- 現在値(2024,7,29時点):11,276円
- 損益:−875円
- 4月に受け取った分配金=159円(保有口数1万口あたり140円)
- 7月に受け取った分配金=313円(保有口数1万口あたり140円)
運用開始1年目で4月と7月に受け取った分配金の合計は472円になりました。
現時点の含み損が−875円なので、赤字状態です。
高配当”投資”なので、損益と分配金を通算するのも筋が悪いと思っています。
損益は➕(プラス)を維持しながら、分配利回りを高めつつ、多くの分配金を確保するのが高配当株投資の醍醐味です。
結論
投資前からわかっていた事ではありますが、毎月や毎週の積立投資が向いている銘柄ではありません。
基準価額は平日毎日変動します。日本経済がずっと右肩上昇ならば、積立投資も可能なのですが、残念ながら上がったり下がったりするものです。
決まったタイミングで定期的に積立投資
価格が下がった時=分配利回りが上昇した時に購入
分配金の単価はファンドの決算により決定されるので、基準価額が下がった時に買えば利回りは上昇します。
- 日経平均が1週間で5%下がったら追加投資
- 毎週金曜日にチェック
- 日経平均が1ヶ月で8%下がったら追加投資
- 毎月月末にチェック
このように、投資するタイミングのルールを自ら設定しておくことで、余計な感情に惑わされる事なく投資タイミングを見誤らなくなります。
下落率の確認方法
上記のようにGoogle検索などで、こんな感じで検索するだけで、下落率や上昇率を確認することができます。
どんなファンド?
2023年12月に運用が開始されたファンドで、日本の配当利回りが市場平均より高い企業の、収益性、安定性を考慮して銘柄選定し、年に4回分配金を支払います。
- 分配月は1、4、7、10月
- 構成銘柄数は30社
- 投資割合は均等加重
- 銘柄見直しは四半期に最低1回
組入銘柄
6月28日時点の構成銘柄です。
構成比率上位に”景気敏感株”が多く含まれているのは懸念事項です。
景気敏感株とは、景気動向によって業績や株価が大きく左右される業種の銘柄のことです。景気敏感株には、素材産業や設備投資関連などの製造業、卸売や海運などの非製造業などがあります。
素材産業としては、化学、鉄鋼、ガラス土石、非鉄金属、繊維、石油石炭、ゴム、鉱業、紙パルプなどが挙げられます。設備投資関連としては、工作機械などの銘柄が該当します。非製造業としては、卸売や海運などが挙げられます。
景気敏感株の反対はディフェンシブ銘柄と呼ばれ、景気動向に業績が左右されにくい銘柄のことを指します。ディフェンシブ銘柄としては、生活必需品である食品や日用品、薬品、社会インフラである電力、ガス、鉄道、通信などの企業が代表的です。
景気が良い時は株価も業績も絶好調で、分配金を多く出してくれますが、不況時代に入った時の減配や株価低迷の可能性想定しなくてはなりません。
今後の構成銘柄の変化に気を配りましょう。
配当利回りの低い銘柄も採用されていますが、元高配当銘柄でも短期間で株価を大きく上げると、配当実績が追いつかず、配当利回りは下がってしまいます。
あるA社の株
株価5,000円
配当金200円
200➗5000✖️100=4%(配当利回り)
半年後のA社株
株価8,000円
配当金200円
200➗8000✖️100=2.5%(配当利回り)
分配金の実績
4月、7月の分配金は共に「140円」でした。
この分配金140円は1万口あたりに対して支払われます。7月26日時点の基準価額は11,276円なので、このSBI高配当株式を11,276円買うと、1万口保有になります。
分配利回りの目安として、組入銘柄の月次レポートは3.53%となっております。
(今後の構成企業の決算によって、分配金は変動します)
基準価額と純資産総額の推移
運用開始から半年程度で純資産総額700億円を突破し、人気ぶりが伺えます。
償還期限も無期限とされていますが、純資産総額が大きく増え続けているようなので、長期投資家も安心できる内容かと思います。
基準価額の伸びは設定の12月から約半年で12%の成長率となりました。
比較対象
同じ日本企業のインデックスと比較してみましょう。
日経平均株価の伸び率は、2023年12月から約14%となりました。
2023年はあまり株価成長の無かった日本株ですが、2024年に入り大きく株価伸長しました。
新NISAで人気No.1のオルカンと比較してみましょう。
純資産総額は日本高配当株式の2倍以上。
基準価額の伸びは2023年12月から約22%の伸びとなりました。
分配金を出さないファンドとの比較なので、同期間の伸び率では日経平均やオルカンに劣る形になりました。
しかし、分配を重視する高配当株式なので、純資産総額の上昇傾向は安心できる結果となりました。
分配金を出すときは成長した基準価額を取り崩して分配を行うので、長期投資の安心材料にもなります。
まとめ
日本高配当株式はSBI証券の投信販売ランキングでも上位に名を連ねる人気ぶり
新NISAスタート以降、日本の個人投資家は「配当」に興味が高いように思う
新NISA開始後、順調に株価続伸を続けた日本株ですが、毎週積立投資を続けたところ、7月時点の基準価額は−875円でした。
分配金は企業の業績に左右されるので、短期間で変動するものではありません。
逆に株価(基準価額)は毎日変動するものです。基準価額が大きく下がった時に購入することで、分配金をもらえる権利を安く買う。という考え方ができます。
記憶に新しい8月5日の暴落など、大きく値を下げたタイミングで購入することで、含み益と配当利回りの両方を手にすることができます。
投資信託の場合、平日午後3時に注文が締め切られ、その日の株価の値動きが基準価額に反映されます。指値注文はできないので、大きく下げた時は価格に細かく拘らず成行注文。のような心持ちが良いかと思います。
現在の構成銘柄では、景気敏感株に偏りを感じます。
いつか来る不況時代に減配の可能性はあります。多額を景気敏感株に注ぎ込む事なく、景気に左右されにくいディフェンシブ銘柄の保有も考える必要があります。「日本株好調」などと報道されているうちは、本当に株価も配当も絶好調のように感じます。しかし、一度不景気が来れば業績が吹き飛ぶのが景気敏感株です。”配当実績”と”減配しないこと”を大切にしましょう。
基準価額の伸びや、純資産総額の成長は申し分ないところでしょう。
資金の流出が多く、ファンドの運用が困難になると償還の可能性もありますが、純資産総額が増え続けている面を見ると運用はこれからも安定していきそうです。
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