みなさん、突然ですが「3大発明」と呼ばれているものをご存知でしょうか?
- 火薬
- 羅針盤
- 活版印刷術
この3つが15~16世紀、ヨーロッパに大きな社会的変革をもたらした3つの発明と言われています。
しかし、そのはるか昔の紀元前3000年前の発明が無ければ今日の我々はなかったんじゃなか?
と、いうものをご紹介します。
レナード・ムロディナウ氏の著書
『この世界を知るための人類と科学の400万年史』から、引用させて頂きます。
音声言語
音声言語の能力は本能的なものなので、音声言語は至るところで生まれたと予想できる。
引用:この世界を知るための人類と科学の400万年史 レナード・ムロディナウ著
そして実際に、地球上にこれまで存在してきたあらゆる人間集団で互いに独立に何度も繰り返し発明されてきたらしい。
新石器革命以前には部族の数だけ言語が存在していたのかもしれない。
そう考えられる1つの理由として、18世紀後半、イギリスの植民地になる前のオーストラリア大陸には平均人口500人の固有の部族が500ほどあり、彼らは新石器時代以前の生活様式で暮らしていて、それぞれの部族が独自の言語を持っていた。
スティーブン・ビンカーは次のように語っている。「言葉をしゃべらない部族はこれまで見つかっていないし、言語の『ゆりかご』である1つの地域から、言語を持たなかった集団へ言語が広まっていったという記録も存在しない」
学生時代に英語の授業で苦労していたことも、今から考えるとしょうがないことと思えますね。
ぼくら人類にもともと備わっていた能力のおかげで、世界中にいくつもの言語が存在しているんです。
ネーミング
人類の音声言語の才能の存在を知った時に、あることを思い出しました。
みなさんは海外ドラマの『ウォーキングデッド』ってご存知でしょうか?
いわゆる『ゾンビ系』の大ヒットドラマなんです。※制作サイドは
ほとんど人類がゾンビに感染し文明が滅んでしまったと思われるアメリカが舞台のドラマなんですが、
生き残った者たちがグループというかチームというかコミュニティとも呼ばれたりキャンプとも呼ばれたり・・・の複数人で食料や物資を求めながら生活をして生き残りをかけて奮闘するストーリーです。
そこで、生き残るために、他のグループたちとの人間同士の戦いや食料の奪い合いなどがあり、
『ゾンビが出てくる極限状態の人間ドラマ』という感じなんです。
そのドラマの中で、グループごとにゾンビの呼び方が違うんです。
※どのグループもゾンビと呼ぶグループは存在しません。
- Walkers(ウォーカー)
歩く者 - Biters(バイター)
噛む者 - Roamers(ローマー)
放浪する者 - Lurkers(ラーカー)
待ち伏せする者、こそこそ動く者 - Empty(エンプティ)
空の、無人の、空虚な
などなど、ウォーキングデッドのスピンオフシリーズも含めて、いくつもの呼称が存在します。
これは単にプロデューサーの意向らしいのですが、いかにも人類の本質にせまるような演出なように感じてしまいました。
同じ英語圏の同じ国で、初めて見るものに名前つける、今までにない全く新しい名前をつけるって考えてみると難しいですよね?
イギリス英語とアメリカ英語
同じ英語圏でも国が違うと、同じ意味なのに微妙に言い回しや表現が違うや表現が結構ありますよね。
- 映画
アメリカ英語➡「movie」
イギリス英語➡「film」 - 映画館
アメリカ英語➡「movie theater」
イギリス英語➡「cinema」 - 蹴球
アメリカ英語➡「soccer」
イギリス英語➡「football」
文字言語
それに対して文字言語は人間文明を規定する特徴であって、もっとも重要な道具のひとつだ。
引用:この世界を知るための人類と科学の400万年史 レナード・ムロディナウ著
人は言葉をしゃべる事で、すぐ近くの小さな集団とコミュニケーションを取れるようになったが、
さらに文字を書くことによって、空間的にも時間的にも遠く離れた人と考えを伝え合う事ができるようになった。
電話やインターネットは世界を変えたが、そのはるか以前、文字言語は最初のもっとも革新的なコミニュケーション技術となったのだ。
音声言語は自然に誕生したため、発明する必要はなかった。
しかし文字言語は発明されたものであって、そのステップを踏まなかった部族もたくさんある。
我々は文字言語を当たり前のものと思っているが、実はもっとも難しい史上最大の発明のひとつである。
その難しさを物語る事実として、現在話されている言語は世界中で3000以上記録されているが、そのうち文字を持っているのはわずか100ほどしかない。
さらに人類史全体を通じて文字はわずか数回しか発明されておらず、それがおもに文化の拡散によって世界中に広がった。
何度も再発明するのではなく、既存の文字体系を借用したり改良したりしたのだ。
最初の文字言語
現在、わかっている限り地球上で最初に文字言語が使われたのは紀元前3000年より少し前、メソポタミア南部のシュメールにおいてだったと言われています。
それとは別に発明されたことが確実とされている文字体系は紀元前900年より前にメキシコで作られたものだけだそうです
また、確証とは言い切れないものの、エジプト(紀元前3000年)と中国(紀元前1500年)の文字体系も独自に発達した可能性があるんだとか。
僕らが知っている文字は全て、この数回の発明のいずれかに、そのルーツを持っているということなんです
文明をおこせるようになった人類が誕生して何千年と経っているのに、文字の発明はたった数回しかないというのは驚きです。
文字言語の発明が、いかにハードルが高かったかというのがうかがい知れますね。
文字を刻む粘土版
これまでに発掘されている粘土版の85%は会計に関するもので、残りの15%の大部分は未来の会計士を教育するためのものなんだそうです。
これは驚きでしたね。そんな昔の時代から会計士という存在がいて、さらに後継を育てていたなんて。
3500年前に発見された粘土板には世界最古の物語「ギルガメッシュ叙事詩」が楔形文字で刻まれていました。
ギルガメッシュ叙事詩は古代メソポタミアの文芸作品で、人間の知られている歴史の中で最も古い作品。実在していた可能性の高い古代メソポタミアの伝説的な王ギルガメッシュが不死を求めて放浪する物語なんだそうです。
メソポタミア文明
最古の文明と言われているメソポタミア文明。
メソポタミアとはギリシャ語で「川に挟まれた地」という意味のとおり、チグリス川とユーフラテス川というふたつの大河に挟まれた場所で栄えました。
シュメール人=日本人のルーツ説
諸説ありますが日本人のルーツはシュメール人なのでは?という説があるんです。
俗説の域を出ないものもあるみたいですが検証に値するものもあるようで、いろんな分野の専門家が研究してくれているようですね。
日本語とシュメール語には共通点も多いのです。興味深いですよね
地球上で一番最初に文字を創造した世界最古の都市国家シュメールとシュメール人。
そんな偉大な民族が日本人のルーツだったら誇らしいですよね。
おすすめの本
今回の内容のさらに詳しい内容なは下記の本に掲載されています。
ご興味のある方は是非ご購入下さいませ。
今回、ご紹介した時代以降から近代の科学史が偉大な有名人の逸話とともに書いてくれています。
「アリストテレス」や「ピタゴラス」、「ガリレオ」、「ニュートン」、「ダーウィン」などなど。
理系の方に限らず文系のかたにもおすすめですよ。
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